すべては、透明。
見えないものに踏みつけられて音もなく崩れる感覚がじわりと広がる。
君がみている世界と僕が見ている世界は大きく違って、共感なんて言葉信じたわけじゃないでしょ?
携帯が手放せないのは寂しいからだなんて言い訳をくっつけてみるけれど、携帯を握っていても寂しさなんか消えなかった。
別れた男との関係を切れないでいる、曖昧なままの関係の女と先に進めない男がいる、コーヒーは相変わらず現実の味がするね。
抱えた多重人格。
揺るがない想いってなんだろう。
秒単位で心も表情も変化させなくちゃいけなくて、生きにくいなぁと。
好きな人に好きだよって伝えられないの、好きじゃない人に愛してるよって言えてしまうの、嘘つきだなんて言わないで、いつだって本気だよ。
今日もどこかで解体作業。
昨日まであった建物がなくなっていて、昨日まであった建物がなんなのか思いだせないことに罪を感じる。
まっさらな世界に最初に黒を足すのは僕じゃなきゃいけなかった。汚されたものに興味はなくて、だから綺麗なものが大好き。
真面目だねと不真面目だねっていう言葉が重なって、結局他人のいうことなんてそれっぽっちの価値しかないって気づいた。
真面目でいるだけで褒められた学生時代。
不真面目でも怒られなかった学生時代。
私は真面目か、不真面目か。
そこの境目はなんだろう?
ネオンの街、ちきゅう、夜。溶けこむように涙が、体が、消えていく。目に見えるものは全部透明でできていた。
透明、雨。透明、風。透明、空。透明、海。透明、心。透明、言葉。
今日も1日透明だった。